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こんにちは!
Oliver Kidsのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。
「え、これ知ってる!」のひと言に驚いた日
ある日、息子が英語の授業から帰ってきて、ふとこんなことを言いました。
「今日の授業で出てきたフレーズ、旅行のときに聞いたやつだった!」
「旅行って、あのときの?」
と聞き返すと、息子はちょっと誇らしげにうなずきました。
聞けば、体験ツアーの最後にガイドさんが話してくれた英語の一言が、
そのまま授業で登場したとのこと。
普段は聞かない珍しいフレーズが心に残った
特に驚いたのは、ツアーの締めくくりにガイドさんが言った、
普段はあまり聞かないようなちょっと珍しいフレーズを、
しっかり覚えていたことでした。
その言葉は、ただのあいさつ以上に特別な響きがあったのか、
息子の心に強く残っていたのでしょう。
そして数ヶ月後、英語の授業で同じようなフレーズが出てきたとき、
「あ、これ知ってる!」と自然に反応できたのです。
「見えない時間」が育てる、子どもの知能
子どもの知能は、もちろん勉強や習いごとによって育つ部分もあります。
でも実はそれだけではなく、
「見えない時間」の中でも脳はしっかり働いていて、学びのタネを吸収しているんです。
たとえば…
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窓の外をぼーっと見ていた時間
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公園でただ寝転んでいた時間
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旅行先で聞こえたガイドさんの声
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道に書かれていた英語の看板
私たち大人が「何もしていないように見える時間」ほど、
子どもの脳は自由に広がり、記憶を整理し、言葉や感情を結びつけている可能性があります。
脳科学ではこのような状態を「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼び、
ぼーっとしている時間こそ、創造性や思考力を高めるための土台になるとも言われています。
旅行や日常で育つ、“あとから効く”知能
あの旅行のとき、息子はただ観光を楽しんでいただけに見えていました。
でもそのツアーの最後
ガイドさんが別れ際ににこやかに言ったたった一言が、
彼の中にすっと入り込み、数ヶ月後の授業中にふと思い出されたのです。
これはまさに、「あとから効く知能」。
意識的な記憶ではなく、**体験に結びついた“印象のある記憶”**が、自然に生きてきた瞬間でした。
「学びって、机の上だけじゃないんだな」
そんな当たり前のようで忘れがちなことを、息子が教えてくれた気がしました。
「空白の時間」を大切にするということ
親としてはつい、「時間を無駄にしてほしくない」と思いがちです。
「やることいっぱいあるでしょう」
「なにぼーっとしてるの?」
……私もつい言ってしまいます。
でも、子どもにとっては、“無駄に見える時間”の中にこそ、大切な学びがある。
しかもそれは、あとからじわじわと芽を出す知能の種だったりするのです。
旅行のような特別な体験も、日々の散歩も、読書も、おしゃべりも。
子どもにとっては「全部が栄養」。
吸収しているときには見えなくても、ちゃんと心のどこかで根を張っているのかもしれません。
今は見えなくても、確かに育っている
知能の差は、テストの点数や通知表だけでは測れません。
むしろ、“いつのまにか身についていること”こそ、本当の力になるのではないでしょうか。
今日のぼーっとした時間も、
静かな遊びの中も、
家族とのなんてことない会話も──
子どもの知能にとっては、かけがえのない「見えない成長の時間」なのかもしれません。
だから焦らず、信じて、見えない時間をそっと見守っていきたい。
私は、あの日のツアーの一言から、そんなふうに感じるようになりました。